煙とあかりと あたまの中

 

今日は 昨日とは違って肌寒いにも関わらず ベランダに出て、深夜に歩く大学生らしい男の子たちを見下ろしながら 煙草に火を付けます

 

少し曇っているから星は見えなくて、代わりに と言わんばかりにまぶしい真っ白な街灯で目を細めます

 

 

ここは 眠らない街 とまでは言わないけれど、ずっと明るくてまぶしくて 夜も眠るまでに時間がかかるから、ひとつのあかりもなく暗闇と星が瞬く空だけが広がって 本当に人のいない地元が あたたかい実家が恋しいような、そんな錯覚に陥っています

 

 

 

急に、誰かと一緒に居る ということが怖いと思いました

 

 

誰かを傷つけること、傷つけられること

 

好きになること、嫌われること

 

それでも誰かと居なければ生きられないこと

 

どうしようもなくて 泣きたくなります

 

 

自分は 他人に、自分を見せることがすごく苦手です

 

4年間 一緒にいたあの人でさえ ちゃんと知ってもらえていたのかどうかも、正直わかりません

 

自分の気持ちや伝えたいことを こうしてつらつらと文章にすることは出来ても、いざ言葉に 口にするとなると喉がきゅっと閉まって 上手く声が出せなくなります

 

他人が自分のことをわかってくれるとは 思っていません

 

だって いちばん近くにいる自分ですら自分のことがわからないなら、自分以外の誰かがわかるわけがない と思っているから

 

それでも、分かって欲しい 知って欲しいと思ってしまう厄介な性格を持っているのです

 

幼かったわたしは 近しい人にこそ こんな面倒くさいやつだと気付かれたくなくて、嘘をつくことを覚えました

 

それが 家族であろうと 恋人であろうと

 

その嘘が 後に自分を苦しめることになっても、誰かが傷つかなければ 好きなままでいてくれるのであれば、必要なときに そうしました

 

自分で 辻褄合わせをすることに少し疲れたような気がします

 

 

当たり前です

 

嘘をつくことは こころをすり減らすことだから

 

よくない癖です

 

頭ではわかっていても やっぱり知られたくないんだと思います 

 

でも、その嘘もいつかは誰かを傷つけることも 本当はわかっています

 

 

 

もしこの先 自分が誰かの隣にいるのなら、その人には 正直であってほしいです

本当の自分を見せるのは勇気がいるけれど、知られてしまったら嫌われてしまうかもしれないけれど、わたしがその人を幸せにしたいから 素直であってほしいなあ

 

そして 自分も ちいさなことでいいから幸せであってほしいと願いながら、ベッドに入ります。

 

 

 

今日で すべてが終わってしまうのに